介護職になると、利用者へは様々な介助サービスを提供することになりますが、どのようなシーンでも必ず欠かせないのが、介護記録をつけるという作業です。
利用者の変化や状況についての克明な記録をつけることで、利用者を一人の人間として捉え、その個性を理解する手助けになります。
また記録を見直すことで、介護方法や介護計画の評価あるいは修正が可能になります。
さらに医師や看護師など介護職以外の専門職との情報共有にも役立ちます。
この他にも、専門職で集まる事前検討会での参考資料に用いたり、介護現場に関わるスタッフの責任の所在を明確化するなど、様々なシーンで介護記録が必要になります。
介護記録をつける際の基本は、記憶が確かなうちに書くということです。
時間が経過するにつれて、人間の記憶は曖昧になりがち。
介護者自身の勝手な先入観や憶測が入る前に、速やかに記録をつけることが大切です。
そして記録をつける際には、個人的な感情や価値観を排除して、事実だけを書くことが鉄則です。
主観的かつ抽象的な表現になると、利用者の状況を客観的に正しく第三者へ伝えることができないからです。
さらに簡潔でわかりやすく書くことも重要です。
介護記録には、責任の所在を明確にする目的もあります。
公的機関などに提出したり、監査等の資料に用いられるケースも珍しくありません。
したがって、介護記録には署名をすることを忘れてはいけません。
これが欠けると公的機関で手続きが却下されたり、監査等で不備を指摘されることになりかねません。